11月26日、大埔 Tai Po(タイポー)の宏福苑 Wang Fuk Court(ワンフック・コート)で大規模火災が発生しました。火の回りが早く、8棟のうちの7棟にまで燃え広がり、消火活動に43時間を費やし、現在までわかっているだけでも消防士1名を含む160人の死亡が確認されています。
火災当日、ニュースで見た光景にショックを覚え、目の前の悲劇に何もできない自分に苛立ちました。それ以来、火災風景が目に焼き付いて、以前は時々訪れていた大埔も、その周辺の新界北部の町も、訪れる勇気が出ませんでした。
あれから早いもので約半月が経ちました。この期間、献花台が設置されたり、娘の通っている学校でも募金や生活必需品の寄付の受付が行われたりしました。私は寄付はできたのですが、どうしても献花台に行く勇気がなくて、時機を逃してしまいました。
そんな中、現場を訪れたことのある友達に誘われて、半月経った火災現場を訪れることにしました。手を合わせたい気持ちはあったものの、一人ではとてもではないですが受け止められる気がしなかったからです。

大埔墟 Tai Po Market(タイポー・マーケット)駅に到着し、すでにこみあげてくるものがあり…駅を出て、現場が目の前に現れた時、ぼろぼろと涙が出てきました。

あまりの迫力に、茫然…もっと近づくこともできますが、私にはちょっとその勇気はありませんでした。

献花台が数日前に撤去されたため、花束が茂みに置かれていました。

これが噂の保護ネット。結構広範囲に落ちていました。


これはお隣の廣福邨 Kwong Fuk Estate(クォンフック・エステート)。いつもバスで荃灣 Tsuen Wan(チュンワン)に戻る際、バスはこの廣福邨の街市のところにあるバス停を通ってから大埔を離れます。つまり、大埔の最後の風景はいつも廣福邨と宏福苑なんですよね。

廣福邨から宏福苑を眺めるとこんな感じです。風向きによってはこっちまで火が来てもおかしくなかったかもしれませんね。

ニュース映像によく出ていた歩道橋からの風景。現場を見てみて、これは本当に逃げるのは簡単ではないなと思いました。どれだけの人々がなんの罪もなく、無念のうちに亡くなったか…胸が痛みました。早く真相が究明されますように…





























