6月30日より大館で行われている「霓續 Vital Signs」。消えゆく香港のネオンサインに焦点を当てた展示です。展示が終わってしまう前に、見に行ってきました。
香港と言えばネオンサインと言う人も多いのでは。でも、そのネオンサインがどんどん取り外され、姿を消して行っています。そんな消えゆく香港のネオンサインに焦点を当てた展示「霓續 Vital Signs(バイタル・サインズ)」が6月30日から9月3日まで大館 Tai Kwun(タイクゥン)で行われています。台風が来る前の8月29日と31日に見に行ってきました。
久しぶりに大館にやってきました。展示どこでやっているのかな?と見渡したら、すぐにわかりやすいサインを発見しました☝
展示は2か所に分かれています。まずは複式展室 Duplex Studio(ドュプレックス・スタジオ)の展示を見に行きました。
最初の展示はネオンサインの原理から。私よく知らなかったのですが、元素の組み合わせによって、異なる色を発色するんですね。
香港のネオンサインを作り上げる職人の皆さんの紹介。ネオンサインと一口に言っても、私たちが街角で見るネオンサインが完成するまでには、様々な職人の方がかかわっています。
文字をデザインする書道家、ネオンのチューブを作るチューブ職人、文字の土台の鉄を作る職人、
看板の土台の飾りを塗る職人、看板を設置する職人などがかかわっています。彼らが使用している工具などが展示されていました。
霓虹燈というのは中国語でネオンサインの意味です。
消えつつあるネオンサイン。どうやって残していけばいいのか??
3Dネオンサインのアート作品。こういったものでもネオンサインは残せるということでしょうか。でもちょっと寂しいような。
旺角Mong Kok(モンコック)にある質屋、信祥大押Shun Cheung Pawn Shopのネオンサイン☝2021年に取り外されました。
萬邦綢緞商行の萬邦と、大同老餅家の大同のネオンサインを合わせて展示。
クジャクの羽のデザイン。妙麗 Millie’s Centreのネオンサイン。
中環 Central(セントラル)の東方表行 Oriental Watch(オリエンタル・ウォッチ)のネオンサイン。2022年に取り外されたもの。深水埗 Sham Shui Po(シャムスイポー)の南昌街にある質屋南昌押のネオンサイン。2023年に取り外されたばかり。
この展示の中で一番ショックだったのはこれ☝私がよく行く元朗の大同老餅家 Tai Tung Bakery(タイトン・ベーカリー)のネオンサイン。2022年年末に取り外されました。取り外されることになってから、2度見に行きました。あれってこんなに大きかったんだなぁ…と思ったのと、なんで取り外しちゃったの…と思ったのと。
確かアート作品。鳳凰と龍かな。生き生きとして、いつまでも輝き続けるネオンサイン、ネオンサインの可能性を表現していると思われます。
もう一つの展示場所、洗衣場石階 Laundry Steps(ランドリー・ステップス)。こちらは5つネオンサインが展示されています。
冠南華婚紗のネオンサインもよく見ていたネオンサイン。これも取り外されていたとは…
展示によれば、過去20年間で無数のネオンサインが上環 Sheung Wan(ションワン)、灣仔 Wan Chai(ワンチャイ)、銅鑼灣 Causeway Bay(コーズウェイベイ)、香港仔 Aberdeen(アバディーン)、尖沙咀 Tsim Sha Tsui(チムサーチョイ)、佐敦 Jordan(ジョーダン)、油麻地 Yau Ma Tei(ヤウマテイ)、深水埗 Sham Shui Po(シャムシュイポー)の街頭から姿を消したそうです。2009年だけで4000ものネオンサインが撤去されたとのこと。驚きでした。今まだあるネオンサインを観察しながらあちこち散歩しようかな、と思った次第です。
<行った日:2023年8月>
霓續 Vital Signs @ 大館 Tai Kwun
住所:中環荷李活道10號