アジアおでかけブログ

香港在住。6歳の娘と一緒にアジアをあちこちちょっとマニアックに。香港生活、マカオ、台湾、大陸旅など。

<香港:將軍澳>「拾字看城」香港字藝展覽@將軍澳廣場TKO Plaza ~字から知る香港~

漢字と看板大好きな私。先月將軍澳に行ったついでに、將軍澳廣場TKO Plazaの「拾字看城」の展示を見てきました。

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私は小学生のころから漢字コンテストなんかがあると俄然張り切っちゃう漢字大好き人間。中学に入り、初めての海外旅行でシンガポールに行ったことがきっかけで、中国語に興味を持ち始め、独学で中国語を勉強し始めました。海外生活も、韓国以外は中華圏(シンガポール、台湾、上海、深セン、香港)。漢字の看板に囲まれていないとなんか調子が悪くなるほどです(タイに行ったりすると中華街までわざわざ行ってしまう)。

当たり前ですが、香港での生活は、地面に書かれた漢字や看板に書かれた漢字、道路標識などなど、とにかく漢字を見る機会が多いです。簡体字よりも繁体字が好きな私は、街歩きで看板を見るだけでもテンションが上がってしまいます。この字体は好きだなーとか、これはなんでこの字体にしたんだろうとか、考えるのが好き。

今回見に行った展示は、「拾字看城」香港字藝展覽 “Hong Kong Typographical Expression” Typography Exhibitionと言って、「字から香港を知る」というもの。まさしく私が興味あることだったので、見に行ってきました。

「拾字看城」香港字藝展覽

「拾字看城ー文字工芸から見る香港」。この展示では、主に香港の文字の歴史と変遷、そして馬路字(道路の文字)、霓虹招牌(ネオンサイン)、鐵片鑿字(鉄版吹き付け文字)、活版印刷(活版印刷)、膠牌招牌(プラスチック標識)などの発展と現状、関連の工芸品や工具を紹介しています。

馬路字(道路の文字)

道路の表面に書かれているのが「馬路字」。これはサイズなど細かく決まっているんですね。

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「捨字看城」:馬路字(道路の文字)

霓虹招牌(ネオンサイン)

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「拾字看城」:霓虹招牌(ネオンサイン)

香港といえば霓虹招牌(ネオンサイン)ですよね。80、90年代の香港はネオンサインの最盛期。現在はネオンサインは次第に姿を消し、LEDの看板に変わってきています。展示ではネオンサイン上の書体が紹介されていて、なるほど納得でした。

鐵片鑿字(鉄板吹き付け文字)

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鐵片鑿字(鉄版吹き付け文字)

鉄板を作り、スプレーを吹き付けて文字を出します。コストが低い割に効率が良いのが特徴。短時間に文字を大量に壁や鉄の箱、駐車場や貨物などの上に吹き付けることができます。「不准吸煙」や「嚴禁標貼」や「小心地滑」などはよく見かけますよね。

活版印刷(活版印刷)

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活版印刷(活版印刷)

香港の活版印刷は19世紀半ば、1940年代、50年代から発展。新聞や、領収書、映画のチケットなど、当時は不可欠なものでした。技術の進歩や時代の変遷により、どんどん活版印刷をする人手が少なくなり、現在は衰退の危機にさらされています。

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活版印刷(活版印刷)
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活版印刷(活版印刷)

香港に現存する活字印刷会社は「光華印務」のみとのこと。

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活版印刷(活版印刷)

活版印刷の工具など。活版印刷にも書体があることを知りました。そうなると、すごい量の活字が必要になりますよね。うーん大変だ。

膠牌招牌(プラスチック標識)

最もよく見かけるのは白地に赤字のもの。アクリル板でできています。安価で、簡単に加工できるため、現在でもよく見かけます。

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膠牌招牌(プラスチック標識)

膠牌招牌(プラスチック標識)にも色々なパターンがあります。

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膠牌招牌(プラスチック標識)

実際のお店の看板。

手寫字(手書き文字)

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手寫字(手書き文字)

手寫字(手書き文字)にも色々書体がありますが、中でも香港人になじみが深いのが李漢港楷。1980年代から、書道家の李漢と看板職人の李威がタッグを組み、多くの看板や標識を生み出しました。二人のタッグは1992年に李漢が退職するまで続きました。

合文字

二つ以上の漢字を組み合わせて一つの漢字にしたものです。代表的なものは、旧正月のおめでたい言葉「招財進寶」「如意吉祥」を一つの漢字にしたものですが、そのほかにも多くの人が新しい合体文字を作りだしています。

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合文字

会場には合文字でできた壁が展示されていました。

ワークショップや体験コーナー

期間中は活字印刷のワークショップなども行われているほか、会場にはテーブルが置かれ、子供の体験コーナーもあります。

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体験コーナー

<行った日:2021年5月27日>

「拾字看城」香港字藝展覽について

期間:2021年5月13日~2021年6月9日

場所:將軍澳廣場TKO Plaza一樓中庭

住所:將軍澳唐德街1號

入場無料

おまけ

展示を見終わった後は、前回見かけたバス(九龍バスの290X番バス:康城発、荃灣西行き)で將軍澳將軍澳から荃灣まで帰りました。將軍澳は、私が住む荃灣からはかなり遠く、MTRで行っても乗り換えが2回あって面倒。バスは乗り換えがなくラクチンでした。

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將軍澳から荃灣までのバス

290Xは私が利用した時間帯(平日の午後3時)は30分に1本しかなかったので、長いこと待たされるのではないかと心配になりましたが、数分待ったらバスが来ました。同じくバスを待っていたおばちゃん二人とともにバスに乗り込みました。バスでは2階席に座りました。

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バスからの眺め(調景嶺駅のあたり)

將軍澳は埋め立てでできた比較的新しい街。今はあちこち工事中。

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バスからの眺め(秀茂坪のあたり)

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バスからの眺め(秀茂坪のあたり)

以前、寺院を見に行ったことがある秀茂坪のあたり。公屋(公営住宅)が沢山建っています。

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バスからの眺め(安泰邨のあたり)

安秀道、新清水灣道の眺めは抜群に良かったです。香港島まで見えました。

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バスからの眺め

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バスからの眺め

バスは途中、彩雲邨、黃大仙、葵芳、葵興、大窩口を通り、最後に荃灣へ。途中で寝てしまい起きた時には荃灣でした。快適なバスの旅でした。