3区のロータリーにある亀湖。夕方になるとアオザイを着たベトナム人が写真撮りに来る場所でもあります。以前から不思議に思っていたのですが、亀湖と言う名前にも拘らず亀がいません。調べてみると、興味深い歴史が隠されていました。
父の日と言うことで、娘を連れて ホーチミンに住むパパに会いに行った6月の週末。2泊のみの滞在で、1泊目はパパの借りているマンション、2日目はホテルに泊まりました。ホテルはそこそこ良いホテルで プールがあってと検索して、Novotel Saigon Novotel Saigon Centre(ノボテル・ サイゴン ノボテル・サイゴン・センター)に泊まることにしました。
ホテルに滞在した日、夫と娘はホテルのプールに遊びに行くというので、私はひとりでホテル周辺を散歩しました。
午後4時、まだ外の日差しが強かった時間帯、私一人で日傘を差してホテルを出発!
散歩の最初の目的地はHồ Con Rùa(タートル・レイク、亀湖)にしました。ホテルからは歩いて数分の距離です。3区にあるTrần Cao Vân、 Phạm Ngọc Thạch、Võ Văn Tầnの3つの通りが交差するロータリーにあります。このロータリーには右の写真のように☝カフェが沢山あり、夕方から夜にかけて屋台が出ることでも有名です。
去年(2023年)の夏に娘とホーチミンを訪れた際も、二人でこのあたりを歩き、疲れたのでカフェで一休みしました。そして窓の外を見てみたら、この亀湖が見えました。よく目を凝らしてみると、アオザイを着た女性が数名写真を撮っていてビックリ。どうやらホーチミンの映えスポットだったようです。その時の写真を探したのですが見つからないので、見つかったらまたこちらに載せたいと思います。
こちらがその亀湖☝です。不思議な場所ですよね。
ちなみにですが、亀湖と言う割に亀がいないんですね。これ初めて見た時になんでだろう?と不思議に思ったのです。今回も訪れまして、調べてみたら、この湖にまつわる不思議なお話がありました。
Hồ Con Rùa 亀湖のお話
現在、亀湖のあるこの場所にはグェン王朝の間、城門があったそうです。その後、フランスによって占領されると、町は壊され、城門跡地にはこの地区の住民ための給水塔が建てられました。のちに道を繋ぐため、この給水塔も取り壊されましたが、フランスは小さな湖をこの地に残し、新しくインドシナ支配に貢献した3名のフランス軍人の銅像を建てました。この銅像はベトナム戦争の際、取り壊され、湖だけが残され、亀湖として生まれ変わりました。
南越政府が亀湖建設を決定するにあたってはこのような話が残されています。
Nguyễn Văn Thiệu氏が、南越の2代目総統に就任した際、風水師に助言を求めたところ、風水師から「サイゴンの地下には巨大な龍がおり、その巨龍の頭が独立宮殿(現在の統一会堂)の下にあり、尾が湖の下にある。国家の平和と発展のためにはこの尾を捕まえておく巨大な亀が必要だ」と助言を受けたそうです。そのため、亀湖の真ん中に巨大な亀の銅像が置かれました。それだけでなく、湖の形も八角形(八卦)にし、湖の床には陰陽の形にしたとか。しかしながら、1976年、反政府勢力による爆破で亀の像も壊されてしまいました。そのため、亀湖と呼ばれてはいますが、湖には亀はいません。
参考☟にしました。
歴史や逸話を知ると、この亀湖を見る目も変わってきますよね。亀はいないものの、この花のような塔も、龍の尾をとどめておくための剣のように見えますし、不思議です。