去年12月から九龍公園にある香港文物探知館で行われている嶺南建築に関する展示を見に行きました。「番禺神樓」の精緻な彫刻は、言葉を失うほどの素晴らしさでした。
先月(4月)、去年(2023年)12月から九龍公園 Kowloon Parkの香港文物探知館 Hong Kong Heritage Discovery Centreで行われている展示「同一屋簷下:嶺南傳統建築源流與藝術 Under the Same Roof: Origin and Art of Lingnan Traditional Architecture(同じ屋根の下:嶺南伝統建築の源流と芸術)」を見に行ってきました。
嶺南というのは、「中国の五嶺山脈より南に位置する地域」を指します。広義では、現在の「広東、広西、海南、香港、マカオの全域、そして湖南、福建、江西、貴州、雲南の一部」を指し、狭義では、「広東、広西、海南、香港、マカオ」を指します。今回の展示は、広東、香港、マカオの嶺南伝統建築に焦点を当てた展示となっています。
私は歴史文化に興味があり、古い村を歩いたり、古い建築を見に行ったり、博物館に行ったりするのが好きなのですが、館内には、今までに行ったことのある香港の虎豹別墅 Haw Par Villa(ハウパーヴィラ)、李鄭屋漢墓博物館 Lee Cheng Uk Han Tomb Museum、マカオの澳門博物館、広州の西汉南越王博物馆(西漢南越王博物館)、陈氏书院(陳氏書院)などからの所蔵品170点が展示されていました。かなりの数の所蔵品が以前見たことがあるものだったので、まさかここで一度に見られるとは!と、ちょっと興奮してしまいました。
瓦當というのは、屋根瓦の一番端の部分につけられた瓦のことです。展示されていた「萬歲」瓦は、南越国時代のもの。以前、広州の西漢南越王博物館で見て、かなり印象に残っています。まさか香港で再会できるとは。
こちらは現在、深水埗 Sham Shui Po(シャムスイポー)の李鄭屋漢墓博物館のお墓から出土した、東漢(25~220年)時代の陶器。
今にも動き出しそうな生き生きとした獅子。右は広東から、左は度忘れ。
左右にたっている、月神、日神は香港の虎豹別墅から。1930年代のもの。
こちらはマカオから。
こちらは澳門博物館所蔵の、広東の中山三郷烏石村の廟または祠にあった、竹を編んで作られた建築装飾。木彫りの彫刻はよく見ますが、竹を編んだものは初めて見みました。とにかく素晴らしいの一言。
こちらは☝宗教儀式に使われた錫製の五供(祭壇)です。香港の錦田にある20世紀初頭に建てられた鄧伯裘故居にあったもの。館内にはほかにも様々な展示があります。写真に撮ったのは自分が気になったごく一部です。
次は一旦外に出て、仮設の展示会場へ☝
内部にはこちら☝今回の展示の一番の見どころ、「番禺神樓」です。広州の陈氏书院(陳氏書院・広東民間工芸博物館)所蔵のものです。「番禺神樓」は、清の宣統元年(1909年)に建設された、嶺南地区に現存する中で最大の木彫の祭壇です。
驚くほど精緻な彫刻で、言葉を失いました。とにかく素晴らしく、私は2回見に行きました。一見の価値ありです。展示は今週末6/2までですので、ご興味ある方はお早めに!!
同一屋簷下:嶺南傳統建築源流與藝術
場所:香港文物探知館 Hong Kong Heritage Discovery Centre
展示期間:~2024年6月2日
<行った日:2024年4月>
香港文物探知館 Hong Kong Heritage Discovery Centre
住所:尖沙咀海防道九龍公園
開館時間:月水金 10:00~18:00
土日祝 10:00~19:00
クリスマスイブ、旧暦大晦日 10:00~17:00
休館日:毎週木曜日、旧正月元旦と2日目
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