今年大ヒットした香港映画と言えば皆さんご存じの「九龍城寨之圍城」ですが、実は最近公開されてヒットしている香港映画があります。「破·地獄 The Last Dance」と言う作品です。先週友達と見に行ったのですが、とても良い映画だったのでこちらで紹介したいと思います。
香港映画と言うと、カンフーアクション、喜劇、恋愛、警察、香港マフィアの映画が思い浮かびますが、「破·地獄」はそれらとは全く異なり、香港の葬儀を題材に、葬儀の際に行われる道教の法事、破地獄*を通して、死者と生者、生と死について描いた作品です。(*破地獄とは、一般的に若くして亡くなったり、事故や自殺などで亡くなったりした際に、死者が成仏できるように行う儀式のこと。)
「破·地獄」の登場人物はそれぞれ難題を抱えています。破地獄により、死者はこの世を去り成仏していきますが、残された人々もまた愛する人の死を、そして困難を乗り越えていくのです。今年は私も父を亡くしたので、登場人物に共感する部分もあり、色々と考えさせられました。また、破地獄をはじめとする葬儀儀礼や南音など香港ならではの伝統文化が織り込まれているのも興味深いところです。おススメの映画です👍
破·地獄 The Last Dance
監督:陳茂賢(チャン・モウイン)
主演:黃子華(ダヨ・ウォン)、許冠文(マイケル・ホイ)、衛詩雅(ミシェル・ワイ)、朱栢康(トミー・チュー)
ストーリー:
コロナ禍で景気が後退し、ウェディングプランナーから葬儀屋へと転職した魏道生(黃子華)。魏道生は最初のうちは葬儀を行う際に法事を行う喃嘸/散居道士の文哥(許冠文)とは意見が合わず度々衝突するが、パートナーとして葬儀を行っていくうちに文哥の仕事に対する真摯な姿勢にふれ、また、文哥と息子志斌そして娘文玥との衝突に巻き込まれていく…