香港には二十四節気の「驚蟄」に行われる「祭白虎 打小人」という面白い風習があります。ちょうど「驚蟄」の日に天后廟に行くと、紙でできた虎が祭られ、多くの人がお参りに来ていました。そして、天后廟周辺では、打小人の風習も見られました。

まずはどういう風習なのかまとめて書いていきたいと思います。自分の備忘録として…
「驚蟄」とは
二十四節気は中国の戦国時代ごろに発明された、春夏秋冬の四季をさらにそれぞれ6つ分けた暦のこと。「立春」をはじめとして、3番目となるのが「驚蟄(ギンジャット)」で、日本語では「啓蟄(けいちつ)」と呼ばれています。
「驚蟄」は冬の間寝ていた虫たちが動き出す時期とされていて、小人(人を陥れたり邪魔したりする人のこと)も活動を始めると信じられているため、その時期に「打小人」に行く人が多いそうです。また、春の到来に当たる驚蟄は耕作の開始を意味し、その昔、人々は驚蟄の日に、この1年天災が無いようにと、驚蟄の節気神である「雷神」を祀ったそうです。
「祭白虎 打小人」とは…
特に香港含む広東一帯では、驚蟄の日に「白虎を祭ればもめ事や争い事をなくすことができる(祭白虎化解是非)」という言い伝えがあります。なぜかというと、白虎はものごとの是非の神と言われているからだそうです。毎年驚蟄の日に現れて食べ物を探し人を襲う白虎を祭る(祭白虎)ことで、もめ事や争い事など人々を傷つけることを避けることができると考えられています。「祭白虎」には黄色に黒い斑点が描かれた紙の虎を使用します。
「打小人」は驚蟄に主に中国南方で行われる風習の一つで、紙に人の形を描き、それを小人(自分を陥れたり邪魔したりする人のこと)に見立てて、棒でたたき退治することで悪運を祓うという一種の厄払いです。
油麻地天后廟の様子
私は先日ふと「油麻地の天后廟にお参りに行こう」と思い立って、一人で天后廟を訪れました。そしたら、たまたまその日が「驚蟄」でした。実は数年前も同じようにふと天后廟を訪れたらその日が「驚蟄」だったことがありました。何か呼ばれていたのかもしれません。


普段は夜、屋台や占い屋台が出て賑やかな天后廟周辺ですが、この日は昼間なのに賑やかでした。これを見た瞬間、あ、もしかして「打小人」か…今日「驚蟄」?と気づきました。

早速「油麻地天后廟」の中へ。

入り口付近には紙でできた虎が祭られていて、多くの人がお参りに訪れていました。

やっぱりこの日が「驚蟄」でした。


小さい虎さんが可愛らしいです。

私は普通にお参りを終えて…の一枚。なぜかピンボケ。今年も無事に過ごせたらいいなぁ。
<訪問日:2026年3月5日>
<おまけ>数年前の鵝頸橋での「祭白虎 打小人」
ちなみに、「打小人」で有名なのが、香港島の銅鑼灣 Causeway Bay(コーズウェイ・ベイ)にある鵝頸橋 Bowrington Bridge(ボーリントン・ブリッジ)という高架下。

ここでは「驚蟄」当日はもちろん、普段からその風習を見ることができます。

これは夫が「打小人」に行った時の写真です。スリッパで人の形の紙をペチペチとおばちゃんがたたくのですが、そのペチペチたたく音があちこちから上がりちょっと不思議な雰囲気でした。