香港名物の竹の足場。あちこちの建築現場で見られるおなじみの風景です。ジャッキー・チェンの映画のアクションシーンでもおなじみですよね。ところが、数日前発展局が「新しく建てる公共建築の工事現場での金属の足場を少なくとも半分以上にすること」と通達したことで、竹の足場がなくなるのではないかと危惧する声が上がっています。
香港ではおなじみの竹の足場ですが、なぜ使われて来たかというと、竹が中国から安価に調達できること、金属の足場と比べて軽量(ニュースによると、金属の足場は竹の足場の約3倍の重さだそう)であり、運搬や組み立て、解体が容易であること、長さの調整が容易であること、などが理由に挙げられます。また恐らく、香港の気候にもあっていたのではないでしょうか。
今回、公共建築の工事現場の半数以上を金属の足場で行うようにと通達がでた理由は、安全性向上のため。竹の足場は、耐性が一定でないこと、燃えやすいこと、転落事故が多いなどの問題があるそうです。
現在、竹の足場は工事現場の80%以上、金属の足場は約20%。竹の足場も金属の足場も資格制で、竹の足場の資格を持っている職人さんは4000名あまり、金の足場の資格を持っているのは約1万人とのこと。以前どこかで竹の足場の職人さんの高齢化が進んでいると読んだことがあります。ニュースでも、そういった高齢の職人さんが引退に追い込まれるのでは…と書かれていました。
経済的側面や安全性など色々と考慮すべきことがあるので軽率なことは言えませんが、でもやはり竹の足場の工事風景が全くなくなってしまったら寂しいですよね…そんなことを考えながら歩いていたら、足場の写真ばかり撮っていました。



